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あじさいと植物色素

あじさいと植物色素

あじさいの美しい季節になりました。
おでかけが億劫になる梅雨の季節、外出する気持ちの後押しになりますね。

種類も色も豊富なあじさいの花は、本来アントシアニンの色味であるピンク色。
ですが、土のPhが酸性だとアルミニウムが溶けやすくなり、アントシアニンと結合し青色に変化するのだそうです。

皆さんは、あじさいの色というとなんとなく青っぽい色を想像しませんか?
なぜでしょう。
あじさいは、植物の中では割と強い植物。
手入れされていない比較的やせた土でもよく育ちます。
日本は雨が多かったり、地質や地形上ヨーロッパや北米に比べて酸性の土が多いそうです。
日本の土が全国的に酸性に傾いているため、青い色のあじさいをよく見るのであじさい=青紫の印象が強くなっているのでしょう。

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植物の色素は、光合成の要クロロフィル(緑)をはじめ、私たちの目に映る様々な色があります。

赤い色のアントシアニン
青い色のデルフィニジン
黄色いクロシン etc
それぞれ、抗酸化や抗炎症などの作用を持ちます。
これらの植物色素は食することで、これらの働きを期待できるのですが、カラフルな色は視覚から心を動かしてくれます。

野草・薬草に興味を持つとことと、その薬理効果や作用について知ることはセットのようです。
人にとっての有用な作用。
けれど、そこばかりに気をとられてしまうのも、少し残念な気がするし、植物に対して失礼な気にもなってしまうのです。

こんなことを考えるきっかけは、
「あじさいには毒がある」という一文からの反応。
軽く触れるだけではそんな危害を与えるような植物でもないのに…。
薬草だけでなく他の植物についても同じだなと、考えの枝が伸びました。

知識や、注意喚起として知ることは大切。
でも、ふんわりした知識で嫌ったり遠ざけてしまうのはどうだろうか。。

ただ根を張り、茎をのばし、葉を広げている。花を咲かせている。
どの植物もその姿そのものを、まるっと鑑賞する気持ちも忘れたくないなと


あじさいの花色を意識的に調整したい場合には、石灰などで土のPhを調整するとよいのですが、それでも変わらない品種もあるようです。
私たち人間のわがままを許さない植物たちの強さを感じたりもします。

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