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麻とCBD

麻とCBD

麻とCBD

一時のブームが落ち着いたと思ったら、再びあちこちで目にするようになったCBD商品。
特に、気分の落ち込みや倦怠感を感じやすい季節の変わり目には、気分の切り替えや健康維持習慣などのキーワードで注目されることが多いようです。

反面ネガティブな情報も聞こえてくるため、興味関心がじわじわと広まり、最近は幅広い世代からはてその実態は?と聞かれます。
メディカルハーブの領域でも、しばしば登場する麻(ヘンプ)ですが、食品や関連する商品についてまとめてみました。

CBDって何

CBDとは、植物の麻(アサ・ヘンプ)の種や茎からとれる「カンナビジオール」という成分のこと。

人は「生理活性物質」という、生命活動や生理機能の維持および調節にかかわる化学物質を持っています。
ごくわずかな量で体に作用し、細胞の生成やエネルギーの産生にもかかわり、細胞の老化を防ぐとともに生体各器官の機能を正常に調節あるいは活性化させ、また免疫応答を維持するように働きます。
CBD(カンナビジオール)は、アサ(大麻草)に含まれるカンナビノイドという生理活性物質のうちのひとつです。

植物に含まれる成分のひとつCBDの名前を商品名の前面に出して
・気分の切り替え
・パフォーマンスの向上
・ストレス対策
・快適な睡眠
・痛みなどの軽減
などを目的にかかげ、販売されています。

商品は、食品(飲み物・お菓子)や体に塗るオイル・バーム・香水など多岐にわたります。

問題視されるポイントは?

「麻」からの抽出成分、カンナビノイド(生理活性化物質)
そのなかでも注目される二大成分が
・CBD(カンナビジオール) と
・THC(テトラヒドロカンナビノール)禁止成分

原料となる植物「大麻草(タイマソウ)」は約100種ほどあり、その花穂を乾燥させた煙草「マリファナ」の持つ精神活性作用が世界的に問題となり、日本では1948年の大麻取締法制定により許可なく栽培することは規制されています。
ちなみに「大麻(タイマ)」は法律用語で葉と花穂の規制している大麻草の植物部位のことを指すそうです。

抽出部位の指定がされたり、禁止成分(THC)を含まないことを条件に商品が販売されていますが
商品の原料植物が、世界的に問題となった大麻草であること。
ここが問題視されるポイントのようです。

注目するのはどこ?

ヒトの体内にエンド(内因性)カンナビノイドシステムというシステムが見つかっています。
これは私たちがバランスよく健やかに生きるための機能(恒常性や生体防御機能)に関わっています。
具体的には睡眠や食欲、炎症や疼痛、生殖などに作用します。

そして、このシステムには
・CB1…精神作用をもたらす
・CB2…炎症や痛みなど免疫系に作用する
というふたつの受容体があります。
THC(禁止成分)はCB1とCB2のいずれにも作用しますが、CBD(カンナビジオール)はいずれにも直接には作用しません。

ただしCBDは間接的にCB2の働きを高めます。
またCBD自体は神経作用を持たないとしつつ、セロトニン受容体にも作用するので向精神作用がないわけではありません。
間接的に体のメンテナンスに役立つとされる、禁止成分でないCBDを使用しようというのが、商品開発の流れのようです。

植物に限らず自然界のすべてのものは絶妙のバランスをもって成り立っています。
それぞれが役割を持ちつつ互いにバランスをとりあい、作用を抑えたり、高めたり、また新たな作用を生みだしたりもします。

カンナビノイドの成分のおいてもそんなバランスを表す言葉に、アントラージュ効果という言葉が使われます。
アントラージュとはフランス語で「取り巻き」とか「環境」といった意味。
THCだけとかCBDだけではなく「丸ごと」用いることがよいのだという考えで、数百の生理活性化物質のパワーに対する向き合う熱も感じます。

しかし日本ではTHCは使えないため、CBDにハーブやテルペン(精油成分)を加える試みがされています。
輸入品などもそういった組み合わせがなされているとのことです。
日本ではTHC成分が含まれていないこと・検出されないものが販売されています。


この商品に限ったことではありませんが、何が含まれているかを確認するのが基本。
ネット販売にみる流通の拡大に、意図的に隠されたことも想定すると、製造元や販売元など何を信頼し選択するのか。
そのあたりに注目し、緊張感を持ちたい商品だという印象を持っています。

その他の麻の活用について

植物としての麻は
原産地…中央アジアを原産地とするとても成長の早い1年草。
病害虫にも強く、高さ4mにもなる。
耕作作物としても歴史の古い植物である麻は、農薬を使用せずどんどん育ち、CO2を吸収するとして、人にも環境負荷が少ないサスティナブル植物
コットン栽培での農薬使用や労働者の保護活動から環境植物で比較されつつも、その評判が芳しくないのはひとえに、マリファナの印象なのでしょう。

繊維として
「ヘンプ」と呼ばれることが多く、強靭な性質から紐やコーヒー豆の袋に代表されるような穀物の袋などに使用されました。
また神道の世界では、神主さんが御祓いするときに振る棒「幣(ヌサ)」に大麻草の繊維が使われ、罪や穢れを祓う神聖な植物とされています。


種の活用
日本では八穀(稲・黍(きび)・大麦・小麦・大豆・小豆・粟(あわ)・麻)のひとつに数えられ、七味唐辛子には、種子そのものがはいっており、少量ではあるものの自然と口にしていたりします。
もちろん熱や乾燥処理後の発芽の恐れがないものが使用されています。

オイルの活用
決まった種類の麻の種からは、オイル(ヘンプシードオイル)が抽出されています。
低温圧搾(コールドプレス製法)で抽出されたオイルには、必須脂肪酸などが豊富に含まれ、食用やアロマトリートメントなどに。
CBD商品の多くに使われるCBDオイルは、高圧下での超臨界抽出法で抽出されます。


*必須脂肪酸…油の中に含まれている栄養素。生命活動ににおいてなくてはならない「必須」な栄養素。体内では作ることができないため、食べ物から摂取する必要がある。主なものに「リノール酸(オメガ6)」「α-リノレン酸(オメガ3)」などがある

まとめ

・CBDとは、大麻草からとれる成分の名前であること。
・現在、日本で販売されているCBD商品は、原料は大麻草ではあるが成分が厳選されているものであること。
・CBDは、心や体のメンテナンスに役立つ成分であるということ。
・内容物を確認し、理解と納得のうえ購入使用すること。

海外マーケットも含め、国内市場であっても正直このテの商品は玉石混合
国内イベントで、サンプルやプレゼント等で配られたものを摂取して、酩酊状態や救急搬送された事例もあります。
何を信じるか賢い選択ができるように、特に最優先される健康な体のためのものは、あいまいにしないでおきたいですね。

今回は、CBD商品について質問が多くなったので、簡単にまとめました。
調べている最中、タイムリーに「CBDの安全性や基礎知識と正しい使い方」の案内をみつけました。
講師は、日本メディカルハーブ協会理事長で日本アロマセラピー学会理事でもある林先生
更に知識を深めたい場合は、信頼できる先生から直に知識を得るよい機会かと。
 
 

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